大腸菌

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大腸菌の噂[編集 | ソースを編集]

  1. お腹の中にいる厄介者。
    • でも消化を助けてくれる心強い味方でもある。人間の共生生物と表現されることもある。
  2. 海水浴場を遊泳禁止にしてしまう。
  3. 生物学発展の立役者でもある。
    • 遺伝子組み換えが簡単で、増殖も非常に楽なので、ウイルス研究には欠かせない。大腸菌をウイルスに感染させて、研究に必要な分だけいくらでも増殖させてウイルスを採集できる。
    • タンパク質合成にも使われている。
    • 実験室での培養が簡単であることから、生化学においてモデル生物として利用されることが多い。
  4. どういう訳か赤痢菌のDNAを取り込んでベロ毒素を放出する病原性を獲得してしまった菌もいる。
    • O157が有名。細菌性赤痢と同様に法定伝染病に指定されている。
      • こいつのせいで生の牛肉が食えなくなった。
  5. ほとんどの大腸菌は特にこれといった悪さをしないのだが、ごく一部に、悪さをするように仕組まれた遺伝子を持った奴も存在する。この悪い大腸菌を総称して「病原性大腸菌」と呼ぶ。
    • O157などの腸管出血性大腸菌も病原性大腸菌に含まれる。
    • ちなみに赤痢菌も大腸菌と親戚関係にある細菌であるが、大腸菌に比べて重篤な感染症を引き起こす危険性が高いため、衛生管理の観点から別種扱いになっている。
  6. 病原性大腸菌で無くても、傷口から侵入して血管内に入ると敗血症や髄膜炎などの重篤な疾患の原因になり得る。
    • また尿道に大腸菌が入ると膀胱炎になることも。
      • 特に肛門が尿道に近い女性が発症しやすいと言われている。

病原性大腸菌[編集 | ソースを編集]

  1. ヒトに下痢や胃腸炎を引き起こす悪い大腸菌の総称だが、それぞれのタイプの性質はだいぶ異なる。
  2. 腸管出血性大腸菌(EHEC)は主に先進国で流行するが、それ以外は発展途上国で流行することが多い。
  3. EHECは三類感染症だが、それ以外は他の食中毒と同じ五類感染症となっている。

腸管出血性大腸菌[編集 | ソースを編集]

  1. 赤痢菌と同じ毒素(ベロ毒素)を出す、非常に危険な大腸菌。感染すると大腸に激しい出血と炎症が起こる。
    • ちなみにベロ毒素の名前は、サルの腎臓の細胞(ベロ細胞)を破壊することから名づけられた。
    • ベロ毒素は別名志賀毒素(志賀潔が赤痢菌を発見したことが名前の由来)とも呼ばれ、志賀毒素産生大腸菌(STEC)という別名もある。
  2. O157が特に有名だが、他にもO111、O104、O26などの種類がある。
  3. 1982年にアメリカで初めて発見された。この時、ハンバーガーが原因の集団食中毒が発生していたことから、アメリカではハンバーガー病と呼ばれている。
  4. 日本でも1990年に浦和市(当時)の幼稚園にて井戸水を原因とする集団感染があった他、1996年には岡山県と堺市の小学校で給食による集団食中毒が発生した。
  5. 主に牛の大腸に生息しており、生または加熱不十分な牛肉を食べて感染する事故が多い。
    • 家で焼き肉をやる際は要注意。
    • また、レバーはさらに危険度が高い。レバ刺しなど言語道断である。
  6. 感染した時の症状も赤痢とほぼ同じ。激しい下痢を起こし、便には血液や粘液が混じる(粘血便)。
    • 重症化すると大量の真っ赤な血液を一日に何度も排泄するようになる。
      • 他の食中毒菌(カンピロバクター、サルモネラなど)でも血便が出ることがあるが、EHECに感染した場合の出血量は圧倒的に多い。
      • 酷い場合は下痢の回数が1日に30回を超えるほど。
    • 腹痛もかなり激しく、歩けなくなるほどである。
      • 右下腹部が強く痛むため、虫垂炎や腸重積と誤診されるケースもある。
    • なおノロウイルスなどと異なり、吐き気や嘔吐は殆どみられない。
    • 発熱することもあるが、デング熱や腸チフスのような高熱になることは少ないらしい。
      • 逆に38℃以上の高熱が出た場合はHUSなどの重篤な合併症を警戒する必要がある。
    • 一方で、腸内環境が良好(乳酸菌やビフィズス菌などが多い人)な人は感染しても無症状だったり、軽い下痢程度で済む場合もある。症状には個人差がある。
  7. 大腸の傷口からベロ毒素が血液中に侵入し、腎臓や脳に甚大な被害をもたらすことがある。
    • 溶血性尿毒症症候群(HUS)という。激しい下痢や下血があった人のうち約10%がHUSを発症する。HUSを発症した場合の致死率は3〜5%と言われている。
  8. 腎臓や脳の合併症が有名だが、大腸のダメージも相当すさまじく、稀に大腸が狭くなったり、穴が開いたりすることもある。
  9. 下痢止めを飲むとベロ毒素が体外に排出されなくなるため、非常に危険である。
  10. 赤痢と同様に法定伝染病に指定されている。
    • 感染力、病原性共に他の病原性大腸菌より強いため。
    • 三類感染症である。ちなみに他にはコレラ、腸チフス、パラチフスがある。三類感染症は全て食中毒系である。
  11. 酸に強く胃酸では死なないが、加熱には弱い。
    • しかし低温には強いため、冷凍保存しても死なない(ただし菌の増殖を抑える効果はある)。
      • 乾燥にも強い。
  12. 赤痢菌やノロウイルスと同様に、人から人にうつることもある。
  13. 食中毒菌の中では潜伏期間が長い方である。
    • 食後2日後に発症することが多いが、2週間後に発症するケースも稀にある。
    • そのせいで、原因となった食品を特定するのが難しくなっている。(食中毒が発生した頃には既に廃棄されていることが多いため)
  14. 患者数こそノロウイルスやカンピロバクターなどより少ないのだが、感染性の食中毒で亡くなる人の殆どはEHECが原因となっている。だからとても怖いのである。

腸管病原性大腸菌[編集 | ソースを編集]

  1. 小腸の細胞に感染する大腸菌。
  2. 症状は下痢、嘔吐、発熱などの典型的な食中毒のものである。
    • サルモネラ菌による腸炎に似ている。
    • 乳幼児は重症化しやすい。

腸管侵入性大腸菌[編集 | ソースを編集]

  1. 赤痢菌のように大腸の細胞組織に侵入する性質を持つ。
    • 感染力も赤痢菌並みに強く、少ない菌量で感染が成立する。
  2. 症状も血便や激痛、発熱を伴うなど赤痢と似ているが、志賀赤痢菌やEHECと異なりベロ毒素は産生しないため多くは予後良好である。

毒素原性大腸菌[編集 | ソースを編集]

  1. どういうわけかコレラ菌の毒素を産生できるようになった大腸菌。
  2. 症状もコレラとほぼ同じ。
    • 腹痛や発熱は無いが、激しい下痢によって脱水症状が起こる。

O104[編集 | ソースを編集]

  1. 2011年にヨーロッパで大流行した新種のEHEC。
  2. O157などに比べて重症化しやすい。
    • HUSを合併する確率が20%以上とかなり高かった。O157などは乳幼児や小児、高齢者は重症化しやすいが成人はあまり重症化しないのに対し、O104は成人でも重症患者が多く出たことがO157などとの大きな違いである。
    • ベロ毒素を出すだけでなく大腸の細胞に強く粘着する性質があったことが重症化しやすくなった原因と考えられている。しかも多くの抗生物質に耐性を持っていたため治療も困難だった。
  3. 発生源はドイツで生産された野菜であると言われている。

赤痢菌[編集 | ソースを編集]

  1. 血液や粘液の混じった真っ赤な下痢便(粘血便)を排泄することが名前の由来である。
  2. コレラや腸チフスと並び、法定伝染病に指定されている危険な細菌。
  3. ベロ毒素という猛毒を産生する。
    • こいつが大腸に出血性の重い炎症を引き起こす他、腎臓や脳に大きなダメージを与えることがある。
    • 何故かベロ毒素を持った大腸菌も存在する。
  4. 日本人の志賀潔先生が発見したため、志賀菌とも呼ばれている。
    • 発見者の名前に因んでシゲラ(志賀)属とも呼ばれている。学術名に日本人の名前が付いた病原体は赤痢菌が唯一のものである。
  5. 赤痢アメーバとは全く別の生物である。
  6. 実は大腸菌とは親戚関係にあたる細菌なのだが、人間に対する危険度が大腸菌よりも高いため、衛生管理の観点から別種扱いになっている。
  7. コレラ菌と異なりこいつは胃酸に強い。
    • しかも感染力が強く、100個程度の少ない菌量でも感染が成立する。
      • そのため生物兵器として悪用される可能性もあるらしい。
      • 参考までに、インフルエンザウイルスは1000個で感染が成立する。つまり赤痢菌はインフルエンザウイルスより感染力が強いと言える。
      • 一般的な食中毒菌(サルモネラ、腸炎ビブリオなど)は100万個程度の菌を摂取しなければ発症しない。赤痢菌がいかに恐ろしいかが分かるだろう。
  8. 実は4種類存在する。
    • 発展途上国に多い志賀菌はベロ毒素を産生するため最も毒性が強く重症化しやすい。
      • 日本でも高度経済成長期より前までは毎年10万人近い患者と2万人近い死者を出していたが、経済状態や衛生環境が改善されたことから志賀菌による赤痢は激減している。
    • 先進国に多いソンネ菌は症状が軽い(血便を伴わない)ことが多い。が、感染力が強いのは他の赤痢菌と同じ。
  9. 2006年度までは隔離入院が必要な二類感染症に指定されていた。
    • しかし2007年度から就業制限や消毒のみに留まる三類感染症(隔離までは必要ない)に格下げされた。(ただし症状が重いから入院ってのはある)
      • なおコレラ、腸チフス・パラチフスも同様である。
  10. 細菌性赤痢の特徴的な症状として渋り腹(テネスムス)というのがある。
    • これは痛みを伴う強い便意があるものの実際に出てくる大便は少量、というもの。直腸に激しい炎症が起こることが理由らしい。
    • ただこれはアメーバ赤痢や潰瘍性大腸炎など他の病気でもみられるものであり、細菌性赤痢に特有のものでは無い。

関連項目[編集 | ソースを編集]

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