宦官

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  1. 数世紀前まで世界中に居たのに、今ではほとんど見られなくなった職業。
    • 職場そのものがほとんど無くなったのでやむを得ないか。
  2. 「職場」は王様や大貴族の宮中。はっきり言えば後宮(=大奥)の使用人である。
    • 女だらけのところを管理する仕事なため、ち*こを切り取ってある。
      • 当初は異民族の捕虜や、「腐刑」「宮刑」などの刑罰によって切り取られた受刑者がなった「家内奴隷」だった。
      • が、つねに権力者の近くにいるため、うまい汁を吸えることがだんだんわかってきて、そのうち自分で切り取って応募してくるヤツも激増。
        • 当人は気の毒だが、うまい汁を吸って栄達すれば、一族全員の暮らしが楽になるので、貧窮した一族が、族内の頭の良さそうな子のを切り取って応募させたりしたらしい。
  3. インド、中東、ヨーロッパなど、王朝のあったところにはたいてい棲息していたが、歴史に大きく関わるところまで存在が重かったのは、なんと言っても中国。
    • 後漢などではむちゃくちゃな権勢を獲得する宦官が頻出し、皇帝でさえ制御できなくなって、王朝そのものを揺るがした。
      • 皇帝を暗殺したヤツがいたり、皇帝を愚かな方向に教育したヤツもいるし・・・・。大抵はろくな名前を残してない。
    • そのせいか最後の満州族になってからようやっと「宦官は政治に関与するべからず」と法文化され、違反すれば即座に死刑。宦官の権勢の抑止に成功した最初で最後の王朝となった。ゆくゆくは「宦官と役人の親しい付き合いはご法度」という気風まで生まれた。
      • 明も初代洪武帝はこの方針だったが宦官と内通して簒奪した永楽帝はその経緯からこれを撤回。皮肉にも異民族によって天下が治められたことにより洪武帝の法が結実したのだ。
      • 元々、満洲人にはボーイ(包衣)という召使階級がいて、伝統的に主従の仲も良かったので信用できない部下というのも少なく、政治に関してはわざわざ宦官に頼る必要も無かったから。
  4. 性欲を満たせなくなったせいで、他の欲望が異様に強い場合が多い。金銭欲、権勢欲など。
    • もっとも悪役ばかりではない。「史記」の作者の司馬遷、紙を現在ある形に改良した蔡倫、巨船を連ねて大航海をおこなった鄭和など、欲望が良いほうに働いて大きな業績を残した宦官も居る。
    • 中国の記録によると、性欲は完全には消えない場合があるらしい。
  5. ヨーロッパの宦官の伝統は、芸術関係でのみ18世紀まで残った。
    • 映画にもなった「カストラート」がそれ。声変わり前にち*こを切り取り、大人になってもきわめて高音域の美声を保った。
    • オペラ界におけるカストラートの権力はかなり強く、現在のプリマドンナどころではないワガママ言い放題だったらしい。
    • バロック時代のオペラで、王様の役は必ずカストラートが演じた。
      • だからバロックオペラの王様役はどいつもこいつもみんな声が高く、現代の普通のテノール歌手では演じきれない。
      • また、ずっとそういう役柄に接していた一般大衆は、「王様(独裁者)は声がかん高い」という観念を刷り込まれた。ナポレオンやヒトラーが成功したのは声がかん高かったからだという説もある。
  6. なぜか日本では歴史上いちども存在しなかった。
    • かつて中国や朝鮮では、「宦官も居ないとはなんと野蛮な国だ」と日本をバカにしていた。なんだかなあ。
    • 日本の後宮(=大奥)の管理は女性がやっていて、特に問題も無かったようだ。
      • 日本女性の管理能力が高かったとも言えるが、それより、貴族だろうが庶民だろうが外国人だろうが美女と見ればお構いなしに後宮に放り込んだ他の国と違い、日本の後宮にはそれなりの家柄の娘しか入ることができなかったためと思われる。もともと教養ある女性だけの空間なので、宦官を必要とするほどの大変さは無かったのだろう。
    • しかし、満州国は旧清の宦官が満州国でも宦官として復活しためずらしい事例がある。
  7. 高校のときの社会の授業で、「宦官」とはどのような身体的特徴があり、ふつうの男性がどのようにすれば宦官になれるのかをはっきりとは教えてくれなかったような気がするし、教科書や参考書とかにもはっきりとは書かれていなかったと思う。
    • 教科書に普通に「去勢された」と書いてあって、いや別にそこまで書かなくてもいいんじゃ…と思った世界史選択者もいる。
  8. なぜかブクブクに太ったイメージがある。
    • 睾丸を取ってしまったことでホルモンバランスが狂い、脂肪がつきやすくなるらしい。

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