将棋界のしくみ

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  • 将棋棋士
  • 最近、藤井聡太さんの活躍によって将棋が注目されているが、段位やクラスなど、にわか通にはわからない事が多い。
    よってまとめておく。

八大タイトル[編集 | ソースを編集]

  • プロ棋士になれば誰もが目指すタイトル。
  • タイトル戦と、一般戦の違いは「前回のタイトル保持者に、予選を勝ち抜いた挑戦者一名が挑戦する」という点。
    • よってタイトルを持っていても予選から参加しなければならない一般棋戦とは区別される。
  • プロ棋士は、タイトル未保持の場合は「○○九段」などと段位で、タイトルを持っている場合は、「△△名人」(あるいは単に「名人」)とタイトル名で呼ばれる。
    • タイトルを複数持っている場合は、もっとも格式の高いタイトルで呼ばれるが、名人と竜王を取っている場合は、例外的に「□□竜王・名人」となる。
      • 名人・竜王以外のタイトルを複数持っている場合は「n冠」と呼ばれることも多い。
        • 竜王と名人だけは負けても1年間は「前竜王」「前名人」を肩書として使うことができたが、2000年以降の該当者全員が段位を名乗っていたために廃止された。
        • 2020年10月から日本将棋連盟の記載ルール変更で「n冠」は使われなくなり、竜王or名人以外を複数取った場合でも「王位・王座・叡王」と全タイトルを表記するようになった。
      • 2020年度現在の序列は竜王≧名人>>>>(越えられない壁)>>>>>王位>叡王>王座>棋王>王将>棋聖

名人戦[編集 | ソースを編集]

  • 1612年から存在する、もっとも歴史のあるタイトル。
    • ただし昔は世襲制であり、現在のように実力制になったのは1937年から。
  • 主催は、朝日新聞社と毎日新聞社(共催)。
    • 実力制になってからは朝日→毎日→両社共催と変遷がある。
  • 通算5期タイトル獲得で永世名人の称号が贈られ、初代(大橋宗桂)からの通算で第○○代名人となる。
    • ただし実際に名乗れるのは引退後。これは他のタイトルも同じ。
      • 大きな偉業を成し遂げた棋士は、例外的に現役中に永世名人を名乗ることが許される。実例は十五世名人・大山康晴、十六世名人・中原誠、十七世名人・谷川浩司。
      • 実質的には60歳を迎えたところで連盟理事会から名乗っていただけるよう「推薦」が来るようである。
    • 現役の棋士で永世名人の資格保持者は、十八世名人・森内俊之、十九世名人・羽生善治。
    • なお「名人を3or4期獲得」または「名人2期で他に抜群の成績を上げている」場合に「実力制名人」の称号を名乗ることが可能。
      • こちらの実例は塚田正夫(第2代実力制名人)と升田幸三(第4代実力制名人)の二人。ただし塚田正夫は永世十段の呼称が優先される。
      • なお、2022年現在の資格保持者は佐藤天彦、渡辺明(名人3期)の2名。ただし、渡辺明は永世竜王資格あり。
  • 若いころに「神武以来の天才」(要するに日本建国以来の天才)ひふみんこと、加藤一二三氏ですら名人獲得は一期のみ。それでもすごい事なのである。
  • 優勝賞金は2000万円(推定)
    • その他、順位戦の対局料相当分の手当が別途支給される。

順位戦[編集 | ソースを編集]

  • 要するに名人戦の予選。
  • プロ棋士が、名人戦に参加するにあたり、その時々の実力に応じて在籍するクラス。
    • 下記のA級の総当たり戦で優勝したもののみ、前回の名人に挑戦できる。
      • A級は“A級在籍△△期”のように、棋士の強さを表す指標にもなっている。
    • 段位は一度昇段すると下がらないが、クラスは降格がある。
      • 昇格人数はクラスにより固定されており、全勝以外の相星になった場合は前年度成績からつけられた順位により決定される。(全勝の場合は該当者全員昇格)
        • 前年度成績順なので、下クラスからの昇格組が最下位の扱いになる。
        • 同点なのにこのルールで降格を喰らうことを通称「頭ハネ」と呼ばれるが、一人で何度も頭ハネを喰らった棋士がいる。ヨハネスブルグのガイドラインコピペ改変でネタにされるほど。
        • 1980年代に勝ち数規定による昇段ができるまで、八段以下の昇段の条件は「順位戦で昇級する」のみだったため、他の棋戦で活躍しているのに順位戦でC級1組に上がれなかったためにずっと四段のままだった棋士もいた。
      • B級1組~C級1組は上位2名、C級2組は上位3名が昇級。
        • 2020年度よりB級2組とC級1組も上位3名が昇級に変更となる。
    • A級・B級1組は下位2名が降級。
      • B級2組以下は下位20%(端数切捨て)に「降級点」がつき、2回(C級2組は3回)ついたら降級。降級点は勝ち越すか、2期連続で5勝5敗なら消去できる。ただしC級2組の1つ目は昇級・降級以外では消せない。
        • こちらも2020年度よりB級1組は下位3名が降級、降級点はB級2組は下位25%・C級1組は下位22.2%(4.5人に一人)に変更。
          • さらに2021年度よりC級2組も下位22.2%に変更。
  • ただし順位戦には、将棋連盟から棋士に支払われる給料や賞与の査定も兼ねているので棋士にとっては大変である。
    • 給料と賞与については、連盟の改革の一環と、一部から「勝負師が給料をもらうのはおかしい」という意見が出たため、縮小された模様。
  • 名人戦(決勝戦)は7番勝負で、先に4勝すれば勝ち。4~6月にかけて開催。
  • 2018年の第76期のA級リーグは、6名がそれぞれ6勝4敗で並び、前代未聞の6人によるプレーオフ、5勝5敗が残留ラインというすごい事になった。
    • なおプレーオフは、A級順位が下位の棋士から順に対局するパラマストーナメント方式。豊島将之が10位から3連勝して下克上するも、4回戦で羽生に敗れた。
  • B級1組の通称「鬼の棲み処(すみか)」は、時代によって意味が異なるらしい。
    • 昔 - 棋士が生活するのに丁度良いので激戦区。
      • A級はハードルが高いし、かといってB級2組では世間体と収入が悪いと居座る。
        • ただしものすごく強い棋士は、長居されると迷惑な(自分がカモられる)ため、さっさとA級に行かせる。
        • 逆に弱い棋士はボコボコにしてカモにする。
        • という事で、実力のピークが過ぎ、A級を陥落して居座る棋士が多かった。
    • 現在 - A級をうかがう強豪や有望若手がひしめくクラス
  • 人数や所属棋士は、執筆現在(2023年度・順位順)
クラス名 概要 人数 主な在籍棋士(2023年度)
名人 1名 藤井聡太(竜王・叡王・棋聖・王位・王将・棋王)
A級 最上級。このクラスのリーグ戦で優勝すると晴れて挑戦者となれる。
逆にどれだけ強くても下位2名になれば自動的に降格となる。
10名(原則定員) 渡辺明(永世竜王・永世棋王資格者)、広瀬章人、豊島将之、永瀬拓矢(王座)、斎藤慎太郎、菅井竜也、稲葉陽、佐藤天彦、佐々木勇気、中村太地
B級1組 ここから総当たり制になる。別名「鬼の棲み処」
棋王戦・NHK杯で予選を免除される。
13名(原則定員) 糸谷哲郎、佐藤康光(永世棋聖資格者)、羽生善治(永世七冠資格者・日本将棋連盟会長)、山崎隆之、大橋貴洸、木村一基など
B級2組 棋聖戦・王座戦で一次予選を免除される。
2020年度より昇級枠が3、降級点枠が下位1/4に拡大。
28名(定員なし。以下同じ) 久保利明、高見泰地、谷川浩司(十七世名人)、杉本昌隆、深浦康市、青嶋未来など
C級1組 2020年度より昇級枠が3、降級点枠が下位1/4.5に拡大。 31名 伊藤匠、出口若武、都成竜馬、三枚堂達也、船江恒平、先崎学、服部慎一郎など
C級2組 基本的にはここがプロ棋士のスタート地点。C級1組への昇級枠は3。
人数が多いため3月の最終戦を除き2日に分けて開催される。
2021年度より降級点枠が下位1/4.5に拡大。
55名 佐々木大地、徳田拳士、本田奎、八代弥など
フリークラス どのクラスにも所属していない、C級2組から降格した棋士、プロ編入試験に合格した棋士、もしくは三段リーグ次点2回で昇段した棋士。
原則として10年以内に所定の成績を収めて昇級しないと引退となる。
16名 (記載自粛)
過去に一度C級2組から降格してから復帰した棋士は2名(伊藤博文、島本亮)のみ。
フリークラス経由でC級2組に上がったのは瀬川晶司、今泉健司、折田翔吾の3名(プロ編入試験合格後)および伊奈祐介、吉田(現・渡辺)正和、伊藤真吾、渡辺大夢、佐々木大地、古賀悠聖の6名(三段リーグ次点2回)。
フリークラス(宣言) フリークラスを自ら宣言した棋士。順位戦に戻れない代わりに15+α年もしくは65歳まで現役を続行可能。
理由は「タイトルに集中したい」「後進の育成に力を注ぎたい」など様々。
17名 森内俊之(十八世名人資格者)など

竜王戦[編集 | ソースを編集]

  • 名人位と並んで最高位とされるタイトル。
  • 主催は読売新聞社。
    • 竜王戦そのものは1987年開始だが、その前身も含めると1950年開始となり、実力制名人戦に次ぐ歴史を持つ。
      • 前身は全日本選手権(1948-49)、九段戦(1950-1961)、十段戦(1962-1986)。実力九段とタイトル九段を混同しやすい事から名称変更となった。
  • 七大タイトルで最も優勝賞金が高く(4320万円)、かつランキング戦のクラス別の優勝者と準優勝者にも賞金がでる、棋士にとってはおいしいタイトル。
    • てかそもそも他のタイトルの賞金は非公開。これだから読売は金で権威を(ry
    • そのため、某渡○明のように「竜王戦のみを目指して将棋を指している」と呼ばれる棋士がいるほど。
      • なお本人は否定している、「取れるんだったら全部取りたいよ」。
  • 名人戦と同じく、ランキング戦制を取っているが、名人の順位戦と異なり、可能性としてはどのクラスからでもタイトルを狙える。
    • ただし当然のことながら、下位ランクになるほど本選出場には多くの労力と実力を要する。
    • 名人戦に比べると、特に若手実力者にはハードルが低いと言えなくもない。
    • ランキング戦は6組まであるが、勝ち上がり記録は4組から番勝負に進出した3名。うち2名はそのままタイトルまで取っている。
      • 最年少竜王は羽生善治(19歳、第二期で3組から勝ち上がり)。ちなみに名人(実力制)の最年少は谷川浩司(21歳)
      • りゅうおうのおしごと!」なるラノベができたのもこのシステムのおかげかも。
  • アマチュア枠5、女流棋士枠4、さらには奨励会員枠1も設けられている
  • 決勝トーナメントは勝ち上がった枠ごとに入る個所があらかじめ決められている。
    • 1組優勝者は挑戦者決定戦三番勝負に進むのに1勝すればよいが、5・6組優勝者は5勝が必要である。
  • なぜか1組優勝者が挑戦者になったことがほとんどない。しかもそこからタイトルを奪ったのは第31期の広瀬章人が初めてのことである。
    • 2006年の現行トーナメント方式に変わって以降、進出者が居ないのは456組の優勝者。タイトルを取っていないのはそれに加え1組3位、1組5位。全部ナベが跳ね返した。
  • 永世竜王の資格を得る条件は「5連覇または通算7期」。
  • 名人戦(順位戦)と竜王戦(ランキング戦)を同時に戦うのは体力がかかるので、明らかにどちらかに絞っている棋士がいる。
    • 森内俊之 - 名人8期(永世名人資格)・竜王2期・その他2期。
    • 渡辺明 - 名人3期・竜王11期(永世竜王資格)・棋王10期(永世棋王資格)・その他7期。
  • 七番勝負第1局は2017年度から渋谷のセルリアンタワーにある能楽堂で開催。かつては海外開催が定番だった。
    • 番勝負が早く決着すると竜王は残りの対局会場だった地を訪問する(通常対局前日に開催される前夜祭部分だけを予定通り行うようなもの)。

ランキング戦[編集 | ソースを編集]

  • 名人戦の順位戦に相当。
    • ランキング戦は、第1期に限り順位戦の順位とリンクしていた。
  • 竜王戦(決勝戦)は7番勝負で、先に4勝すれば勝ち。10~12月にかけて開催。
  • トーナメントで決勝に進出すれば1つ上の組に昇級。
    • 敗者復活トーナメントを勝ち上がった2名も昇級できる。「裏街道」と呼ばれる。
    • 逆に1勝も挙げられなかった4名が1つ下の組に降級。4・5組は残留決定戦の敗者4名が降級。
  • 1組は特殊で、準決勝で敗れた2名が対戦し勝者が「1組3位」、2回戦で負けた4名でトーナメントを行い勝者が「1組4位」、1回戦で負けた8名でトーナメントを行い勝者が「1組5位」として決勝トーナメントに進出。5位決定戦の初戦敗者4名が降級となる。
  • 一定のランクに入ると段位が特別昇格する。タイトル戦の予選だけで昇段出来るのは名人順位戦と竜王ランキング戦のみなので、やはり別格なのがよく分かる。
    • そのため、順位戦で昇段できない若手棋士が昇段する最短ルートと化している。
    • 連続昇級の間に他の昇段規定を挟めば一気に昇段可能。藤井聡太は順位戦と朝日杯優勝を挟んで3ヶ月の間に七段まで昇段した。
      • 三枚堂達也や大橋貴洸のように、ランキング戦に敗退したことで逆に一気に昇段するケースもある。
  • 引退による欠員や、3組以下から挑戦者が出て1組の増員が発生する場合は昇降級枠を増やして人数調整が行われる。
クラス名 概要 定員 主な在籍棋士(第36期)
竜王 1名 藤井聡太
1組 上位5名が本戦出場
昇級すると七段に昇段
16名 広瀬章人(前期挑戦者・2組優勝)、永瀬拓矢(前期1組優勝)、佐藤天彦(同2位)、丸山忠久(同3位)、山崎隆之(同4位)、稲葉陽(同5位)、渡辺明、羽生善治、森内俊之(前期2組2位)など
2組 上位2名が本戦出場
昇級すると六段に昇段
16名 豊島将之、糸谷哲郎、佐藤康光、斎藤慎太郎、増田康宏、高見泰地(前期3組優勝)、菅井竜也など
3組 優勝者1名のみ本戦出場 16名 千田翔太、行方尚史、石井健太郎、近藤誠也、梶浦宏孝、大橋貴洸(前期4組優勝)など
4組 優勝者1名のみ本戦出場
フリークラス陥落期限経過後も、4組以上に在籍の場合は竜王戦限定で参加可能。
32名 杉本昌隆、中村太地、谷川浩司、青嶋未来、高野智史、佐々木大地(前期5組優勝)、本田奎、折田翔吾など
5組 優勝者1名のみ本戦出場
フリークラス陥落期限経過後も、5組に在籍の場合は竜王戦のみ2期限定で参加可能。
32名 瀬川晶司、真田圭一、先崎学、伊藤匠(前期6組優勝)、服部慎一郎など
6組 優勝者1名のみ本戦出場 それ以外 出口若武、今泉健司、渡辺和史、藤本渚など(アマチュア5名、女流棋士4名、奨励会三段1名)

王位戦[編集 | ソースを編集]

  • 1960年開始。
  • 主催は新聞三社連合(中日新聞社・北海道新聞社・西日本新聞社。のちに神戸新聞社徳島新聞社が加わる)
    • 第62期からは伊藤園が特別協賛となり、「伊藤園お~いお茶杯」となる。
  • 2023年度のタイトルホルダーは藤井聡太。
  • 七番勝負は7~9月にかけて、上記主催新聞社のエリアの旅館やホテルで開催される(第6・7局は東京新聞主催)。
    • 神戸新聞と徳島新聞が主催する対局の会場は毎年ほぼ同じ。東京新聞も「陣屋(神奈川県秦野市)」がほとんど。
  • 永世称号は「連続5期または通算10期タイトル獲得」の囲碁界と同じ基準。
    • 1997年まで永世称号が存在しなかった(永世棋王・永世竜王・名誉王座もこの前後の創設である)。
  • シード4名と予選トーナメントを勝ち抜いた8名を紅白2つのリーグに分け(前期七番勝負敗者が紅組、前期挑戦者決定戦敗者が白組に入る)、双方のリーグ戦の1位による挑戦者決定戦で挑戦者を決定する。
    • シードは4枠しかなく、タイトルホルダーであってもリーグを陥落したら予選から指す必要がある。
      • そのため、若手棋士が勢いでリーグ入りを果たすことが少なくない。
        • その影響からか、郷田真隆四段がタイトルを獲得した事がある。現在ではタイトル挑戦を決めた瞬間五段になるため、ほぼ幻の記録。

叡王戦[編集 | ソースを編集]

  • 2018年開始。
    • 一般棋戦としては2015年開始。
  • 主催はドワンゴ不二家
    • そのため、タイトル戦の中継はニコ生のみ。
      • 2019年度の第五期からはAbemaTVでも中継が行われることになった。
    • 2020年度の第6期より不二家が主催。
  • 2023年度のタイトルホルダーは藤井聡太。
  • 段位別に実施される予選を勝ち抜いた16名(四段一名、五~八段各二名、九段四名、追加枠三名)による挑戦者決定トーナメントで挑戦者を決定する。
    • 2期、3期は前叡王が挑戦者決定トーナメントにシード(その分追加枠が一名減)されたが、タイトル戦となった際の番勝負敗者の処遇については不明。
      • 4期から予選の段位枠が変更(四段一名、五段二名、六~八段各三名、九段四名)になり、あわせてシード8名(前期ベスト4、タイトルホルダーなど)が追加された。[1]
        • 一般的には段位が高いほど出場しやすいように見えるのだが、各段の人数との関係で四段の次は七段が狭き門になっている。
    • 第6期はシードはベスト4のみ、九・八段各3名、七・六段各2名、五・四段各1名に。
  • 七番勝負(4月~6月)の持ち時間は5時間、3時間、1時間、6時間(第七局)を対局者が2戦単位で選択。
    • 事前に振り駒を行い、第一局の先手番が第一局、第二局の持ち時間、後手番が第三局、第四局の持ち時間を決め、第五局、第六局は残った持ち時間が採用される。
      • 1時間の対局については1会場で2局指すことになる。
        • そのため、七番勝負とはいえ番勝負の開催は6日間になる。
    • 2020年度の第6期より持ち時間4時間の5番勝負(7~9月)に変更。
    • なお、一般棋戦当時は12月に決勝が行われていた関係で、第3~4期は番勝負開催年の前年度扱いされていた。
    • 第5期以降「見届け人」の名目で番勝負および本戦では、対局開始時および感想戦で対局室へ入室できる権利を販売している。
  • 永世称号は名人・棋聖と同じく「通算5期」。

王座戦[編集 | ソースを編集]

  • タイトル戦としては1983年に開始。
    • 一般棋戦としては1953年に開始。
  • 主催は日本経済新聞社。
    • 2021年度の特別協賛は東海東京証券。
  • 2022年度現在のタイトルホルダーは永瀬拓矢。
  • 永世称号(連続5期または通算10期タイトル獲得)は「永世~」ではなく「名誉王座」。
    • 他に「名誉」を使用する将棋棋戦は一般棋戦のNHK杯だけ。
    • 同一主催者のため囲碁のほうに合わせた(囲碁と将棋で同名、かつ主催者も同じタイトル戦は王座戦だけ)。
      • 現役棋士でも、60歳を超えると名乗ることができるのも囲碁と同じ。
  • 最多タイトル獲得者は羽生善治の24期。
    • 獲得タイトルのうち約1/4が王座ということになる。
    • 初めてタイトルを獲得してから19期連続で獲得したため、奪取された福崎文吾のことを「名誉前王座19連覇中」、羽生が20連覇を逃した後は「名誉前々王座」と(今でも)呼ぶこともある。
      • ちなみに「女流棋士との一戦でお茶に眠り薬を入れられ、気づいたら玉に必至がかかっていた」というネタの元はこの棋戦の予選。
        • 何の偶然か、その伝説(?)の人こそ「名誉前々王座」の福崎文吾である。
    • タイトル戦になってから複数回獲得したのも羽生善治と中原誠の二人だけ。
      • 永瀬拓矢でやっと3人目。
  • 五番勝負は9~10月に開催。
  • タイトルホルダーは全員本戦シードになるため、タイトルが分散し、タイトルホルダーがベスト4に入らないと二次予選の通過枠が減ってしまう。
    • 2019年度の第67期では開始時点で渡辺明(前期挑戦者決定戦で敗退)以外のタイトルホルダー6名がすべてベスト8までに敗れたために通過枠が6まで減ってしまった。

棋王戦[編集 | ソースを編集]

  • 1975年開始。
    • 一般棋戦としては1974年開始。
  • 主催は共同通信社と地方新聞社21社。
    • ちなみに共同通信社は囲碁の七大タイトル戦は主催していない。
    • 2022年度の特別協賛はコナミグループ。
  • 2022年度現在のタイトルホルダーは藤井聡太。
  • 永世称号は「連続5期」のみと、一番ハードルが高い。
  • 挑戦者決定トーナメントは準決勝以上で敗者復活戦があり、トーナメント勝者と敗者決定戦勝者が挑戦者決定戦を行う。
    • 挑戦者決定戦はトーナメント勝者側に1勝のアドバンテージがつく変則二番勝負。
      • 準決勝以降は「2敗するまで試合を行う(ダブルイリミネーション)」と考えれば分かりやすい。決勝では無敗vs1敗の一番勝負で、無敗側が負けると敗者復活となり1敗vs1敗の再戦と考えれば分かりやすい。
    • シード枠が前期ベスト4(3回戦から出場)、タイトルホルダー、永世称号者、順位戦B級1組以上と他の棋戦と比べて多い。
  • 五番勝負は2~3月にかけて開催。
    • 石川、新潟、栃木で開催されることが多い。
      • とくに第2局は金沢で固定開催となっている。
    • 開催時期が年度末ということもあり、第5局の対局会場は将棋会館もしくは都市センターホテル(将棋会館が耐震工事中に対局場として利用されていたホテル)になることも。

王将戦[編集 | ソースを編集]

  • 1951年に開始。
    • 一般棋戦としては1950年開始。
  • 主催はスポーツニッポン新聞社及び毎日新聞社。
    • 2019年度よりイートアンドが特別協賛に入り「大阪王将杯王将戦」に。名前がくどいがこれが正式名称。
      • 2021年度からはALSOKが特別協賛になり、「ALSOK杯王将戦」に。
    • また、後援に囲碁・将棋チャンネルが入ってるため同チャンネルの配信サービス「将棋プレミアム」が独占配信。ニコ生やAbemaTVといった気軽に見る手段のない唯一のタイトル。
  • プロ棋士なら全員に参加資格がある。
  • 予選には一次予選と二次予選がある。
    • 一次予選 - 順位戦のB級1組以下の棋士によるトーナメント方式。各組ごとの優勝者が二次予選に進む。
    • 二次予選 - トーナメント方式で、18名の中から決勝リーグに進む3名の棋士を選ぶ。
      • 参加者は、前期挑戦者決定リーグ陥落者(3人、二次予選2回戦からの参加)、(王将以外の)タイトル保持者、順位戦A級の棋士、永世称号者、一次予選通過者
  • 挑戦者決定リーグは、二次予選通過の3名とシード者(前期挑戦者決定リーグ残留者と王将戦敗者)4人の計7人で総当たり戦で行い、挑戦者1名を決める。
    • リーグに参加するのは順位戦A組に参加するより困難と言われている。
  • 王将戦は7番勝負で、先に4局勝てば王将となる。1~3月にかけて開催。
    • 七番勝負第1局は2011年度から掛川城での対局が恒例になっている。
  • 現在(2022年度)のタイトルホルダーは藤井聡太。
  • 優勝賞金は300万。
    • いくら何でも安すぎじゃ?これでは女流棋士のタイトル並みである。
  • 番勝負に勝った棋士がスポニチの紙面向けにおかしな写真を撮影することで有名。俗に「勝者罰ゲーム」といわれている。
    • なんでも器用にこなしそうな羽生善治はともかく、あまりそんな事はしなさそうな渡辺明が結構乗るのは意外(参考)
  • 七番勝負であるにも関わらず、当初は「先に三勝した方が勝ち」で、かつ「それ以降は香落ち(三番勝った方が香を落とす)と平手を交互に行い、必ず七番まで指す」という「三番手直り」(手直り:同じ相手に負け続けてハンディを与えられる)の指し込み制であった。
    • これは「名人が指しこまれる(3敗してハンディを与えられる)ことはあり得ない」という当時の名人・木村義雄自身が発言。
      • つまり、本来はせめて挑戦者にも勝たせてやろう的なルールだったのである。
      • なお当初の王将戦の被挑戦者は、名人と王将の各タイトル保持者が3番勝負を行い、勝った方が王将として挑戦を受けるルールだった(1953年まで実施)
        • 名人と王将を両方保持している場合は、被挑戦者戦は行われないので、実際に行われたのは1952年の一度だけだった。
    • 当然、升田幸三を筆頭に反対派がいたが、結局このルールは採用された。
      • 皮肉なことに第1回王将戦で「反対派」の升田幸三が「賛成派」の木村義雄王将を4勝1敗で指しこみ、升田が第6局で香落ちで指すことを拒否する事件(陣屋事件)が起きた。
      • さらに1955年、またも挑戦者の升田幸三が大山康晴王将に対して3勝0敗とすると、第4局で升田が香落ちで大山に勝ち、実際に「名人が香を引かれて負ける」事態が起こった。
    • 現在は「三番手直り」から「四番手直り」となり、さらに「先に4勝した方が勝(対局は終了)」というルールになっているため、実際に香落ちで指すことはなくなったが、ルール上は残っている。
      • 4勝0敗となると、実際には第5局は指されないが「手直り」(勝った側の香落ち)が記録される。
    • なお当初の制度だと「3勝4敗で負け越した方がタイトルを獲得する」という事もありえた。
  • 永世王将の資格を得るには「通算10期」のみとややハードルが高い。

棋聖戦[編集 | ソースを編集]

  • 1962年開始。
  • 主催は産経新聞社。
  • 2023年度現在のタイトルホルダーは藤井聡太。
  • 1994年度まで年2期開催されていたため、通算期数が最も多い。
  • 永世称号も「通算5期」と最もゆるい。
  • 1回でも五番勝負に出場すれば引退するまでずっと一次予選を免除される。
  • タイトル戦番勝負としては最初の一日制。
    • 体調のすぐれない升田幸三にタイトルを取らせるために作られたといわれるが、升田本人はこのタイトルを獲得していない。
  • 五番勝負は6~7月に開催。
  • 2017年度現在、最年少タイトル獲得者が登場したのはこの棋戦。
    • 1990年に屋敷伸之が18歳で獲得。
      • そして2020年に藤井聡太が18歳の誕生日まであと3日というところで獲得し更新。
    • 屋敷はその前の期に挑戦して敗れており、これが四段昇段からの最速挑戦記録である。
    • なお、羽生善治が19歳で竜王を獲得する以前の最年少記録も棋聖戦だった(中原誠が20歳で獲得、屋敷が獲得したときの相手も中原)。
  • 王座戦と異なり、本戦のシード枠は「最大8名」となっている。
  • かつては二次予選の後に三次予選や最終予選もあった。

一般棋戦[編集 | ソースを編集]

NHK杯テレビ将棋トーナメント[編集 | ソースを編集]

  • 1951年開始。
  • 主催はNHK
  • 持ち時間10分、切れたら秒読み30秒+1分の考慮時間10回の早指し棋戦。
    • 考慮時間とは、秒読みの後に消費する1分未満切り上げの持ち時間のことである。
      • 見方よっては名人戦は初手より1手1分未満+1分の考慮時間539回と解釈可能。
  • 基本的に放送の約1ヶ月前に対局の収録が行われ、番組の映像がほぼ完成する。
  • 優勝者は番組限定で「NHK杯者」と呼ばれる。
  • 通算10回優勝で「名誉NHK杯」を獲得するが、前回優勝棋士でも2回戦から勝ち上がらなければならないため、獲得は永世称号よりも難しいとも言われている。
    • それでも獲得している羽生善治は流石である。
  • 女流棋士枠は1つ。シード扱いのため、予選勝ち上がり組にとっては当たりくじに見えるが…。
    • この枠で初戦を突破したのは中井広恵(2回)、加藤桃子、里見香奈の3名のみである。
  • シード枠は32名。以下の優先順位で上位14名が2回戦からの出場となる。
    • 前期ベスト4(それぞれ準決勝まで対局がないように配置)
    • 以下は開始前年12月末時点を基準とする。
      • タイトルホルダー
      • 順位戦A級所属棋士
      • 永世称号呼称者(「資格」のみでは不可)
      • 順位戦B級1組所属棋士
      • 棋戦優勝者
        • 対象となるのは朝日杯将棋オープン、将棋日本シリーズ、銀河戦、新人王戦。
      • 女流タイトル保持者
        • 複数名いる場合は出場決定戦を開催する。
      • 総合成績優秀者
        • 32名より各シード者を引いた人数。
        • 選抜基準は前年1~12月での対局数、勝数、勝率の順位をもとにしたポイントとなっている。
      • 名誉NHK杯選手権者

朝日杯将棋オープン戦[編集 | ソースを編集]

  • 2007年開始。
  • 主催は朝日新聞社。
  • 名人戦の主催を毎日に譲った後の朝日新聞は「全日本プロ将棋トーナメント→朝日オープン」という棋戦を主催していたが、名人戦を共催することになったのを機に大きくシステムを変更し新たな棋戦として再出発した。
    • 2003年~2007年の間はタイトル戦と同じ挑戦手合制(5番勝負)を採用し、将棋連盟の昇段基準でもタイトル戦に準じる扱いを受けていた。
      • 実際に深浦康市はこの棋戦と王位2期で九段昇段(タイトル3期獲得)を決めている。
  • 持ち時間40分切れたら秒読み60秒の早指し棋戦。
    • そのため二次予選以降は基本的に1局目の勝者は1日2局指すことになる。
    • 準決勝と決勝も1日でまとめて開催。
  • 前身の全日本プロ・朝日オープンと同様、アマチュア枠が10人と最大。棋士番号の若い順に10名が相手となり一斉対局イベントで行われる。
    • アマチュアが何人勝利したかは注目の的である。
  • 藤井聡太が初めて優勝した棋戦である。
    • この優勝がなかったか、優勝しても順位戦のC級1組昇級決定が3月だったら藤井は2018年5月に竜王戦2期連続昇級を決めた時点では六段だった。
  • 準決勝・決勝は2月に有楽町マリオンの朝日ホールで開催。
    • 2017年度から本戦1・2回戦のうち半分を名古屋で開催。「藤井聡太シフト」ともいわれる。

銀河戦[編集 | ソースを編集]

  • 1991年開始、2000年より公式棋戦に。
  • 主催は囲碁将棋チャンネル。ちなみに囲碁では同じ形式の「竜星戦」という棋戦が開催されている。
  • CSで週2回放送されるテレビ棋戦。持ち時間15分、切れたら秒読み30秒+1分の考慮時間(NHK杯の項目参照)10回。
  • ブロック戦はシード・予選勝ち上がり・アマチュア4名・女流2名の計96名を8ブロックに分け、パラマス(ステップラダー)方式のトーナメントで行う。
  • 各ブロックの優勝者とそれ以外の最多勝ち抜き者(同数の場合はより後から参加した棋士)の2名×8ブロック=16名が決勝トーナメントに進出する。
    • トーナメントの下のほうから参加した場合、優勝までの残り人数の半分(例えば4回戦から参加したら4名)に勝てばほぼ勝ち抜けが確定する。
    • 1回戦から11連勝した棋士は今のところいない(囲碁の竜星戦ではいる)が、そうなった場合はほかの組の残りの棋士の中で最多勝ち抜け者が繰り上げで進出することになる。
  • 決勝トーナメントは16名による通常のトーナメント。1回戦では「最終勝者と別ブロックの最多勝ち抜き者」が対戦する。
  • 優勝者は「銀河」と呼ばれる。
  • 瀬川晶司はアマチュア時代、この棋戦でベスト8に入る活躍をしたことでプロ編入を嘆願するきっかけとなった。

新人王戦[編集 | ソースを編集]

  • 1970年開始。
  • 主催はしんぶん赤旗
  • 持ち時間は3時間。
  • 優勝者が後にタイトルホルダーやA級棋士になることが多く、若手棋士の登竜門とされている。
  • 参加資格は以下のとおり。(段位、年齢は開催前年10月1日が基準)参加者の定員は40名。
    • 26歳以下のプロ棋士(四段~六段かつタイトル戦経験者以外)全員
      • 26歳以上で四段になった場合は、一度だけ参加資格がある
    • 26歳以下の女流棋士4名
    • アマチュア1名(赤旗名人)
    • 奨励会員
      • 先期三段リーグ上位から出場資格がある。
        • ただし四段、女流、アマ枠が39人以下の時のみ出場可能。
  • 決勝戦は三番勝負。
    • 三段が優勝した場合、三段リーグ次点と同じ資格が与えられる。
      • ただし、2回優勝でフリークラスでの四段にはなれない。
      • なお、三段で優勝したのは都成竜馬のみ。(新人王戦の最中に四段に昇段した棋士は青野照市、森内俊之、糸谷哲郎の三名)
    • アマチュアが決勝に進出し準優勝したこともある(加來博洋、元奨励会三段)。
      • 2021年よりアマチュアが優勝した場合は棋士編入試験の受験資格を得ることができるようになった。
    • なお、タイトル戦でも実現した組み合わせは羽生善治-森内俊之、森内俊之-佐藤康光、佐藤天彦-豊島将之、藤井聡太-出口若武の4例(2022年現在、実施順)
  • 優勝者はタイトル保持者と記念対局を行い、棋譜・観戦記はしんぶん赤旗の元日号から1週間掲載される。
    • 記念対局が師弟対局となったのは2020年現在中原誠と佐藤秀司、木村一基と高野智史の二例のみ。
    • 優勝者には翌年のNHK杯の本戦出場権も与えられる(棋士のみ)。
  • 本来六段までしか出場資格が無いはずなのに、藤井聡太七段が出場した事がある(基準日時点では四段だったが、1年に3度特別昇段を決めた)。
    • なお、過去には竜王が出場したことがある(藤井猛、渡辺明)

将棋日本シリーズ[編集 | ソースを編集]

  • 1981年開始、主催は日本将棋連盟+各会場別の新聞社でスポンサーはJT
    • そのせいで勝つと「1勝につきJT商品1年分」が贈呈される。
      • かつては飲料だったが、事業撤退によりパックご飯に変わった。
    • 会場は1・2回戦は札幌・仙台・北陸(新潟か金沢)・静岡・中国(岡山か広島)・高松・福岡・熊本のいずれか、準決勝は名古屋と大阪、決勝は東京。
  • 持ち時間10分、切れたら1手30秒+考慮1分×5回と、非公式のABEMAトーナメントを除けば一番の早指し戦。
  • 出場資格は前年度優勝者+タイトルホルダー+前年度賞金ランキング上位順(左優先)で12名と非常にシビア。例えばタイトルと前年優勝者が全部バラけた場合、賞金ランク枠は3人になってしまう。
    • シード枠は前年度優勝者と優先順位の上位3名。1回戦シードで2回戦からの参加。
    • 出場者は和服着用が必須。
  • 超早指し戦ながら、各地で公開対局を行うというシステムになっているため、1回戦~決勝までは約5ヶ月掛けて行われる。
  • 超早指し戦ながら、封じ手がある。公開対局中に「次の一手予想クイズ」を行うため。
  • 引き分けが発生した場合前後逆順での指し直し、ただし初手から1手30秒で。
  • 2001年度から同日に「こども大会」も開催される。決勝に進出するとプロと同じ舞台で同じ道具を使用、さらには解説までプロが担当するというビッグステージ。

加古川青流戦[編集 | ソースを編集]

  • 2011年開始。
  • 主催は加古川市、加古川ウェルネス協会。
  • 参加資格は四段の棋士(年齢制限なし)、女流棋士(選考委員会推薦の2名)、アマチュア(アマチュア選抜大会ブロック戦優勝者2名+兵庫県アマ名人)、三段リーグ上位者(三段リーグ上位から、40名から前記出場枠を引いた人数)
    • 段位等の基準日は開催年4月1日時点。
  • 決勝(三番勝負)は加古川にて連続2日間で行われる。
    • 1日目に第1局、2日目に第2局・第3局を実施。
  • アマチュア棋士が初めて優勝した棋戦である。
    • 2015年の第5期で稲葉聡アマ(稲葉陽の兄、元奨励会3級)が優勝。
      • これがプロ棋戦におけるアマチュア初優勝。

達人戦立川立飛杯[編集 | ソースを編集]

  • 2023年開始。
  • 主催は日本将棋連盟で、特別協賛が立飛ホールディングス、協賛がトヨタS&D西東京。
    • 「立川立飛杯」の「立飛」は元々「立川飛行機」なので、なにげに「立川」が二つ入っている。
  • 参加資格は開催年4月1日現在で満50歳以上の現役棋士。
  • 本選は立川市にて公開対局で行われる。
    • なお、第1回は永世称号資格者4名が本選シードとなっている。
  • かつて同一名称の非公式戦(日本将棋連盟・週刊朝日主催、富士通協賛)が存在したが、あくまで同一名称の別棋戦。
    • 40歳以上の棋士10人を選抜して行われたが、羽生世代が出場し始めたあたりで終了。

非公式戦[編集 | ソースを編集]

ABEMAトーナメント[編集 | ソースを編集]

  • 2018年開始
  • 初回は「AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治」というやったらと長い名前だった。
    • ABEMAが選抜した12名+本戦シードのタイトルホルダー2名による個人戦だった。
  • 第3回からリーダーが参加者をドラフトする団体戦となった。
    • リーダーはタイトルホルダーおよび順位戦A級在籍の棋士。
      • なのだが、第4回ではB級1組で前王位の木村一基がリーダーになっているなど基準はあいまい。
        • ドラフト会議時(1月)現在のタイトルホルダー、順位戦A級、順位戦B級1組の順位上位者の合計14名がリーダーとなる模様。
    • なお参加登録したけど指名漏れした人は、ブロックに別れてのトーナメント戦を行い、勝者3名がチームとなり予選に望む。
  • 非公式戦だけど、ちゃんと将棋連盟のサイトに記事が上がる半公式扱い。
  • 一番の特徴は「持ち時間5分、1手毎に5秒追加、持ち時間切れは即負け」という特殊な持ち時間(チェスで良く使われている「フィッシャールール」)。
    • 千日手などで指し直しの場合「先手後手入れ替えて持ち時間は追加なし」だったため、開幕から残り時間11秒という事態に陥った事も。
  • 2018年には女流棋士によるトーナメントも開催。
    • 優勝した伊藤沙恵は第2回ABEMATVトーナメントに出場。
    • 女流も第2回から団体戦になった。
      • リーダーはタイトル戦出場者。
        • そのためチーム数は不定。

奨励会[編集 | ソースを編集]

  • プロ棋士の登竜門。
    • 正式名称は「社団法人日本将棋連盟付属新進棋士奨励会」と長いので、日本将棋連盟のページですら「奨励会」と書いてある。
  • 入会には毎年8月の入会試験に合格する必要がある。合格率は1~2割。人数にして30~40人程度。
    • 試験は誰でも受験できるわけでなく、下記の条件がある。それで合格率が上記である。
      1. 19歳以下である事(下限はなし)
        • ただし6級で受験できるのは15歳まで、16歳は(最低でも)5級、17歳は4級、18歳は3級、19歳は1級で受験する必要がある。
      2. プロの棋士に推薦を受けた者、あるいは将棋連盟主催の小中学生向けのアマチュア大会で好成績の者
  • ちなみに一番下の六級ですら、アマチュアの段位で三~五段程度
    • これはアマチュアの大会なら、都道府県代表として全国大会に出られるレベル。
  • 退会に関する年齢制限は厳しく、満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会となる(例外規定あり)
    • 女性会員は退会後に女流棋士への編入が可能である(3級以下で退会した場合は2級から)。
  • 奨励会の三段リーグで上位2名になれば晴れて四段となり、プロ棋士となる。上記クラスはC級2組に編入。
    • プロ棋士になれるのは年4名であり「東大は普通の人でも入れるが、プロ棋士は天才にしかなれない」と言われる。
      • 三段リーグで次点(3位)を2回取ると前項のフリークラス編入で四段になるルートもあるが、こちらはこちらで険しい道である。
    • なおあの藤井聡太ですら三段リーグでは13勝5敗・勝率0.722と苦戦している。
      • ちなみにプロ初年度の成績は61勝12敗・勝率0.836である。
      • いまさら書くまでもないが、2017年度、藤井聡太は最多連勝(29・※連盟記録)、最多勝利、最多対局数、最高勝率の四冠を達成した。
        • なお、1967年以来の四冠達成者は内藤國雄と羽生善治のみ。ただし羽生は4回達成している。
      • なお、三段リーグで藤井聡太に勝利した奨励会員のうち、四段に昇段できなかったのは1名だけである。
    • 最高成績は16勝2敗だが、この成績で上がった棋士が活躍できたというわけでもない。
    • 期によっては14勝4敗でも4位ということがあった。
  • 三段だけ人数が極めて多いことに注目。それだけ激戦区なのである。
  • なお奨励会を15分取材した記者いわく「二度と行きたくない」。
    • 会員同士、会話どころか目も合わせず、室内は将棋の駒を打つ音しかしないとか。
    • 元奨励会員も「奨励会にいる間は将棋を楽しいと思った事は一度もない」んだそうである。

※三段以外の人数は関東奨励会/関西奨励会の順。三段リーグは関東・関西が合同で実施されるため両者の合計値(数字はともに2023年4月現在)。

級・段 概要 人数
三段 プロ一歩手前の人たち。そのためリーグ戦は熾烈を極める。アマからの編入制度あり。 42名
二段 8名/11名
初段 21歳までにここまで上がらなければ退会となる。 12名/12名
1級 14名/7名
2級 5名/5名
3級 6名/10名
4級 5名/8名
5級 9名/12名
6級 最年少入会は9歳。 10名/12名
昇級・昇段規定
6級昇級 - 1級昇級
直近の対局で次のいずれかの成績を取ること。
6連勝、9勝3敗、11勝4敗、13勝5敗、15勝6敗
初段昇段 - 三段昇段
直近の対局で次のいずれかの成績を取ること。
8連勝、12勝4敗、14勝5敗、16勝6敗、18勝7敗
四段昇段(プロ入り)
三段リーグで2位以内(C2クラスに編入)
三段リーグで3位を2回(フリークラスに編入)
  • 6級で入会して最も速く奨励会を通過した棋士(屋敷伸之九段)の通過成績。
    • 1985年12月奨励会入会(6級)
    • 1986年1月 5級(6連勝)
    • 1986年3月 4級(9勝3敗)
    • 1986年6月 3級(9勝2敗)
    • 1986年10月 2級(9勝3敗)
    • 1986年12月 1級(9勝3敗)
    • 1987年3月 初段(8連勝)
    • 1987年11月 二段(14勝5敗)
    • 1988年3月 三段(12勝4敗)
    • 1988年10月1日 四段(三段リーグ14勝4敗で1期抜け) = プロ入り …奨励会在籍2年10か月
      • その屋敷九段ですら連勝で昇級したのは2回、三段リーグは2位通過である。

研修会[編集 | ソースを編集]

  • 奨励会の下位組織。
    • 将棋会館のある東京・大阪のほか、札幌、仙台、名古屋、福岡にも設置されている。
  • 目的は「将棋を通じて健全な少年少女の育成を目指すための機関、また、女流棋士養成機関」とのこと(連盟の研修会ページより)
    • 必ずしもプロ棋士の養成を目的にしているわけではない。
    • 奨励会不合格者の救済措置としての役割もある。
  • クラスは、公式HPではS~Fまでだが、実際にはG・Hクラスや未入会者(テスト生)のクラスが存在する。
  • 対象者
    • 一般研修生:20歳以下でアマチュア有段者の少年少女(師匠は不要)
    • 女流棋士を目指す25歳以下のアマチュアの女性(師匠が必要)
  • 例会:毎月第2、第4日曜日(原則)
  • 入会試験
    • 2回の例会で計8局指し、実力に見合ったクラスに編入される。
    • ちなみにFクラスですら、アマチュア二段相当の実力が必要。
      • 奨励会もだが、研修会も大概難しい。
  • 対局は研修会生同士でなく、研修会生とプロ棋士が行うこともある。
    • もちろん手合い割あり。
クラス 概要
S 昇格した時点で18歳以下であれば奨励会6級に編入可能
A1
A2 昇格した時点で15歳以下であれば奨励会6級に編入可能
B1
B2 女流2級の資格が得られる(ただし通算対局数48局以上)。
C1
C2 CクラスからA・B級への昇格規定は、直近の対局で8連勝、12勝4敗、14勝5敗、16勝6敗、18勝7敗のいずれかを達成すること。
D1 女流棋士を目指す者で、23歳以上のものは、このクラス以上の成績で研修会入りする必要あり。
D2
E1
E2
F1 FクラスからC・D・E級への昇級規定は、直近の対局で6連勝、9勝3敗、11勝4敗、13勝5敗、15勝6敗のいずれかを達成すること。
F2 F1クラスへの昇級規定は、直近の対局で5連勝・7勝3敗・9勝4敗のいずれかを達成すること。
G F2クラスへの昇級規定は、直近の対局で3勝3敗を達成すること。
H
テスト生 入会テスト生が在籍するクラス。

女流棋士[編集 | ソースを編集]

  • 女流棋士は「女性に対する将棋の門戸を広げたもの」と解釈すればよい。奨励会四段でなるプロ棋士とは似て非なるもの。2023年6月までで、奨励会四段でプロ棋士になった女性はいまだかつて一人も登場していない
    • 女流棋士の制度が作られたのは1974年と歴史が浅い。これ以前に将棋を指す女性というものが非常に珍しい存在であったためである。
  • 2021年4月時点で、奨励会三段まで上り詰めた女性は里見香奈・西山朋佳・中七海の3名。
    • 西山朋佳が2019年度後期三段リーグで3位(次点)までいったのが最高成績である。
    • 女性奨励会員は一部の女流棋戦に参加可能(ただし中七海はこれまで参加したことはない)。
    • ちなみに今後女性プロ棋士が誕生した場合、女流棋士との兼任は可能(奨励会からデビューした場合、四段昇段の時点で女流棋士への申請もできる)としている。
  • なお女流棋士には、日本将棋連盟以外、連盟から分裂して独立した日本女子プロ将棋協会(LPSA)という団体も存在する。
    • 2007年に女流棋士の待遇改善を訴えた一派が独立して結成した。

女流棋戦[編集 | ソースを編集]

  • タイトル戦は白玲戦が七番勝負、女流王将戦・倉敷藤花戦が三番勝負、それ以外は五番勝負。
  • 永世称号はマイナビ女子オープン以外はすべて「クイーン○○」で、通算5期で資格を得る。
ヒューリック杯白玲戦・女流順位戦
  • 2020年創設。主催はヒューリック。
  • 2022年度タイトル保持者は里見香奈。
  • 予選が女流順位戦。
    • 第1期は「順位決定リーグ」として各女流棋士を8組に分け総当たり戦を実施。それぞれの順位ごとにトーナメントを行い、決勝七番勝負の勝者が初代白玲となる。
    • 第2期以降は順位決定リーグ及びトーナメントの結果で全女流棋士をA~D級に分け、リーグ戦を開催。A級1位が挑戦権を獲得する。
      • 人数や所属棋士は、執筆現在(2022年度)
クラス名 概要 人数 主な在籍棋士(2022年度)
白玲 1名 里見香奈(女流王座・女流王位・倉敷藤花・清麗)vs西山朋佳(女王・女流王将・女流名人)
A級 最上級。このクラスのリーグ戦で優勝すると晴れて挑戦者となれる。
逆にどれだけ強くても下位2名になれば自動的に降格となる。
10名(原則定員) 伊藤沙恵、加藤桃子、山根ことみ、上田初美、加藤圭、渡部愛、塚田恵梨花、石本さくら
B級 ここから総当たり制、持ち時間3時間になる。
昇級2名、降級3名。
10名(原則定員) 中村真梨花、中井広恵、鈴木環那、香川愛生、室田伊緒、野原未蘭、武富礼衣、和田あきなど
C級 これ以下は、対局数8局、持ち時間2時間になる。
昇級3名、降級4名。
20名(原則定員) 千葉涼子、山田久美、室谷由紀、山口恵梨子、清水市代(日本将棋連盟常務理事)、藤田綾、内山あやなど
D級 ここが女流棋士のスタート地点。C級への昇級枠は4。下位1/4.5に降級点が付けられ、降級点3点でフリークラスとなる。 32名 木村朱里、矢内理絵子、中村桃子、川又咲紀、中倉宏美(LPSA代表理事)、今井絢など
フリークラス どのクラスにも所属していない、D級から降格した棋士。
所定の成績を収めないとD級に昇級できないが、棋士の順位戦のような引退規定はない。
0名
大成建設杯清麗戦
  • 2018年創設。主催はヒューリック→大成建設。
    • 2021年度の第3期より大成建設が主催となる。
      • そのため、第1局から第3局の対局場は大成建設が施工したホテル等で開催(第4局以降は将棋会館)される。
  • 2023年度タイトル保持者は里見香奈。
  • 予選は同じ勝敗同士で対戦を続け、6勝で勝ち抜け、2敗で敗退。
    • 第2期からは「予選トーナメント」の優勝者と、各段階の敗者による「再挑戦トーナメント」の勝者6名→3名の4名が本戦出場。
  • 6勝を挙げた4名が本戦に出場、トーナメントで挑戦者を決定する(第1期は決勝に進出した2名で五番勝負)。
マイナビ女子オープン
  • 2007年創設。主催はマイナビ。
  • 2023年度タイトル保持者は西山朋佳。
  • それまであった一般棋戦「レディースオープントーナメント」を拡張したもの。
  • 予選は毎年夏に一斉対局で行われる。
  • 予選で3年連続初戦敗退すると「チャレンジマッチ」というアマプロ混合予備予選を突破しないと予選に出場できなくなる。
    • 第15期よりプロによる「予備予選」とアマによる「チャレンジマッチ」に分離される。
  • 本戦のシードは「前期ベスト4」のみ。タイトルホルダーでも準々決勝までに負けると予選に回る。
    • 決勝トーナメントの組み合わせは一斉予選終了後に勝ち抜け者が自らくじ引きを行う。
    • 第15期では、里見香奈と里見咲紀の姉妹がいきなり初戦で対局。史上初の姉妹対局となった。
  • タイトル保持者の称号は「女王」。
    • そのため永世称号は他の棋戦のように「クイーン」にできず「永世女王」となった。条件も他の女流棋戦と異なり「5連覇または通算7期」となっている。
  • 五番勝負だが、2019年現在番勝負はすべて第4戦までに決着がついており、フルセットまでもつれたことがない。
    • 2020年の第13期で、初めてフルセットが実現。
  • 意外にも里見香奈は2023年時点で1期しか獲得したことがない。
岡田美術館杯女流名人戦
  • 1974年創設の女流で最も歴史のある棋戦。主催は報知新聞社
  • 2022年度タイトル保持者は西山朋佳。
  • 「岡田美術館」とは特別協賛のユニバーサルエンターテインメントが経営する箱根にある美術館のこと。五番勝負の第1局はここで開催されている。
  • 現在は予選→10名によるリーグ戦だが、かつてはA級・B級の2部リーグがあった。その前はC級リーグも存在した。
  • 名人戦に敬意を表し、第40期(2013年度)まで正式名称が「女流名人戦」だった。
リコー杯女流王座戦
  • 2011年創設。主催はリコー
  • 2022年度タイトル保持者は里見香奈。
  • 一次予選には海外からの出場枠がある。
    • カロリーナ・ステチェンスカ(フォルタン)は第2期にこの枠で出場し、その後育成会に入会して女流棋士になった。
  • こちらも一次予選は一斉対局。
  • 本戦のシードは前期ベスト4+タイトルホルダー。
    • そのため2次予選の通過枠「(前期ベスト8+予選勝ち上がり)÷2」は毎回変更される。
  • 第1期で当時奨励会員だった加藤桃子がタイトルを獲得した。
霧島酒造杯女流王将戦
  • 1978年創設。主催は囲碁将棋チャンネル(それ以前は将棋マガジン→株式市場新聞→日刊スポーツ)。
  • 2022年度タイトル保持者は西山朋佳。
  • 過去二度にわたって主催紙の撤退に伴う廃止の危機に瀕したことがあり、現在は囲碁将棋チャンネルで放送されるテレビ棋戦となっている。タイトル戦も三番勝負(~16期)→五番勝負(17~30期)→三番勝負(31期~)と変化している。
    • 第24期(2002年)まではリーグ戦形式だった。
  • 三番勝負第1局は冠スポンサーである霧島酒造の創業記念館「吉助」(都城市)で開催される。
女流王位戦
  • 1990年創設。主催は王位戦と同じく新聞三社連合。また今のところ唯一LPSAが主催に加わっている。
    • 挑戦者決定方式も王位戦と同じ。ただし予選の通過枠は6。
    • タイトル戦の開催地域も大体同じ。
  • 2023年度タイトル保持者は里見香奈。
  • 五番勝負出場者には王位戦の予選出場権が与えられる。
  • LPSA発足以降、LPSA所属の女流棋士が獲得したことがある唯一のタイトルである。
  • 女流タイトル戦では最も持ち時間が長い(ストップウォッチ4時間)
大山名人杯倉敷藤花戦
  • 1993年創設。主催は倉敷市・倉敷市文化振興財団・山陽新聞社
  • 2022年度タイトル保持者は里見香奈。
  • 倉敷市出身の大山康晴十五世名人の功績をたたえて創設された。三番勝負の第2局以降は倉敷市芸文館で開催される。
  • 完全なトーナメント戦で行われる。
    • そのため女流タイトル戦では番狂わせが最も起きやすい。
  • 主催者推薦の形でアマチュア選手2名が出場する。また、当該アマチュア選手が27歳未満のうちにベスト8以上に進出した場合、2週間以内に意思表示することによって女流2級に編入できる。
    • 野原未蘭はこの規定を用いて、現役高校生のうちにプロ入りを達成している。

関連項目[編集 | ソースを編集]

将棋
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棋士個別(現役:あ~こ/さ~そ/た~の/は~ほ/ま~わ退役(あ・か)・女流