感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
感染症法の噂[編集 | ソースを編集]
- 通称感染症法。感染症の予防や患者に対する医療措置について決めた法律。
- 様々な感染症を社会的悪影響が大きい順番に一類から五類まで分類している。
- 単に致死率が高いかどうかだけでなく、人から人に伝染するかも考慮されている。
- 最も危険度が高いのは一類感染症。エボラ熱などのウイルス性出血熱や天然痘、ペストが指定されている。
- 二類感染症は「一類ほどではないが危険性が高い感染症」である。
- 結核やジフテリア、ポリオ、鳥インフルエンザなどが指定されている。
- 鳥インフルエンザはH5N1亜型とH7N9亜型が二類に指定されており、それ以外のウイルスは四類扱いである。
- 2007年以降は呼吸器(肺、気管支)がやられる感染症が多い印象である。
- 入院勧告があるのは一類と同じだが、二類感染症では無症状者に対しては適用されない。
- 一類および二類感染症に罹った場合、社会的悪影響が大きいということで全額公費による治療が受けられる。(他は医療保険が発生する)
- また、一類または二類感染症に罹っている外国人は日本への入国を拒否される。
- 殆どは輸入感染症だが、結核などのように日本国内でも別に珍しくない疾患もある。ちなみに日本の結核の発生状況は先進国では最悪レベル。
- 二類の一部(鳥インフルエンザなど)は検疫感染症にも該当する。
- 結核やジフテリア、ポリオ、鳥インフルエンザなどが指定されている。
- 三類感染症は「一類や二類ほど危険性は高くないが、集団発生する可能性がある感染症」が指定されている。
- 最初は腸管出血性大腸菌(O157など)感染症のみが指定されていたが、2007年からは細菌性赤痢、コレラ、腸チフス、パラチフスが二類から三類に変更された。
- 食中毒(胃腸炎)を起こし、なおかつ感染力が強く症状も重いものが指定されている。
- ちなみに同じ赤痢でも細菌性じゃない方(アメーバ赤痢)は五類に分類される。
- 一類や二類のような(隔離のための)入院勧告は無いが、命にかかわるので入院する人も決して少なくない。
- 「感染経路は接触感染や経口感染がメインであり、空気感染や飛沫感染はしない」ってのが理由で、一類や二類ほどの厳重な隔離までは必要ないらしい。
- 三類感染症にかかった場合、(無症状者を含めて)食品衛生にかかわる仕事やサービス業がしばらくできなくなる。
- 大腸菌と赤痢は国内感染も少なくないが、それ以外はほぼ輸入感染症である。
- 最初は腸管出血性大腸菌(O157など)感染症のみが指定されていたが、2007年からは細菌性赤痢、コレラ、腸チフス、パラチフスが二類から三類に変更された。
- 四類感染症は「人から人には滅多に伝染しないが、動物や昆虫を介して感染する病気」が含まれる。
- 有名どころだと狂犬病、サル痘、A型肝炎、E型肝炎、炭疽、ボツリヌス症、野兎病、エキノコックス症などが含まれる。
- サル痘のウイルスは天然痘と酷似しており症状も似ているが、天然痘ほど感染力が強くないことから四類になっているのだとか。
- 蚊が媒介する病気(マラリア、デング熱、黄熱、日本脳炎、ウエストナイル熱など)やダニが媒介する病気(SFTS、日本紅斑熱、ツツガムシ病、ライム病など)も含まれる。
- シラミが媒介する発疹チフスも四類。
- 一類~三類のように感染力が強いわけでは無いものの、全体的に怖い病気が多い。
- 例えば狂犬病や炭疽などは致死率だけなら一類感染症より怖いと言える。
- 動物からうつる感染症でも「人から人にうつりやすいもの」は一類~三類に分類される。
- 四類感染症では患者の隔離措置や就業制限は無いが、感染源となったものや場所を消毒することはある。
- ネズミや昆虫を駆除したり、感染源となった動物を輸入禁止にすることもある。
- 四類の一部(デング熱、ジカ熱、チクングニア熱、マラリア)は検疫法における検疫感染症でもある。
- 四類の代表的疾患としてはA型肝炎、E型肝炎、鳥インフルエンザ(二類のもの以外)、黄熱、狂犬病、炭疽、ボツリヌス症、野兎病、Q熱、マラリアが規定されており、それ以外の疾患は内閣が決めているらしい(政令)。
- 有名どころだと狂犬病、サル痘、A型肝炎、E型肝炎、炭疽、ボツリヌス症、野兎病、エキノコックス症などが含まれる。
- 五類感染症にはインフルエンザやウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなど)、水疱瘡などの身近な病気が多く含まれる。
- エイズやB型肝炎、C型肝炎などの性感染症も含まれる。
- 感染性胃腸炎(細菌やウイルスによる食中毒)は三類のもの(O157など)以外は全て五類として扱われている。
- 五類の代表的疾患として麻疹、インフルエンザ、ウイルス性肝炎(四類のものを除く)、エイズ、クリプトスポリジウム症、梅毒、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、性器クラミジア感染症が規定されている。それ以外は厚生労働大臣が決めている(省令)。
- 指定感染症というグループもある。
- これは既に知られている病気のうち、一類〜三類に準じた措置の適用が必要であると判断されたものが期間限定で指定される。
- なお期間が終わった後は正式に感染症法の分類に組み込まれる。
- これは既に知られている病気のうち、一類〜三類に準じた措置の適用が必要であると判断されたものが期間限定で指定される。
- 特殊な括りとして上記の指定感染症の他、「新型インフルエンザ等感染症」や「新感染症」もある。
- 新型インフルエンザ等感染症は(インフルエンザなど)飛沫感染するウイルス感染症のうち、病原体が変異したため多くの人が免疫を持っておらず、重大な災害が発生する可能性が高い疾患が指定される。
- 扱いとしては二類相当となる。(隔離や就業制限、消毒などの措置はあるが、一類のようなロックダウンまでは出来ない。)
- 新感染症はそれまで知られてこなかった病気であり、かつ感染力や危険度が非常に高いものが指定される。
- 新感染症は実質的に一類感染症と同じ扱いとなる。
- 今のところ、新感染症が適用された事例は存在しない。
- 新型インフルエンザ等感染症は(インフルエンザなど)飛沫感染するウイルス感染症のうち、病原体が変異したため多くの人が免疫を持っておらず、重大な災害が発生する可能性が高い疾患が指定される。
- 昔あった伝染病予防法を改良したもの。
- 伝染病予防法では天然痘、ペスト、ジフテリア、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスなどが法定伝染病になっており、患者は隔離されることになっていた。
- だがこの法律では現在では五類扱いの髄膜炎菌感染症や溶連菌感染症(猩紅熱)、アメーバ赤痢、そもそも隔離の必要が無い日本脳炎や発疹チフス(共に四類)も法定伝染病に含まれていた。
- これとは別にラッサ熱、ポリオ、大腸菌感染症が法定伝染病に準ずる「指定伝染病」になっていた。
- さらに性病予防法やエイズ予防法、結核予防法なども統合している。
- 伝染病予防法では天然痘、ペスト、ジフテリア、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスなどが法定伝染病になっており、患者は隔離されることになっていた。
- 一類〜四類感染症の患者を診察した医者は、直ちに最寄りの保健所に届け出なければならない。
- そして保健所には都道府県知事に報告する義務がある。
- 一類感染症(全て)と二類感染症(ジフテリアとポリオを除く)は疑似症患者も届出が必要になる。
- 疑似症患者とは疑わしい症状が出ており、なおかつ「その疾患の流行地域に旅行した」「濃厚接触者である」などの手がかりがある人のことをいう。
- 五類感染症には全数把握(診察した全ての医師に届出義務がある)のものと定点把握(一部の病院のみに届出義務がある)のものがある。
- 全数把握の感染症は発症すると重篤になることが多いもの(麻疹、風疹、ウイルス性肝炎、エイズ、劇症型溶血性連鎖球菌感染症、梅毒、破傷風、髄膜炎菌感染症、アメーバ赤痢など)や患者数が少ないもの(多剤耐性菌による病気など)が含まれる。
- エイズと梅毒は病気の特性上、キャリアも届出の対象となる。
- ちなみに一類〜四類は全数把握である。
- 定点把握の感染症はインフルエンザやノロウイルスなど身近なものが多い。
- 五類のうち麻疹、風疹、髄膜炎菌感染症については直ちに届出をする必要がある。それ以外は7日以内に報告すること。
- 全数把握の感染症は発症すると重篤になることが多いもの(麻疹、風疹、ウイルス性肝炎、エイズ、劇症型溶血性連鎖球菌感染症、梅毒、破傷風、髄膜炎菌感染症、アメーバ赤痢など)や患者数が少ないもの(多剤耐性菌による病気など)が含まれる。
- 大学や専門学校の医療系の学部・学科では定期試験や国家試験にこれに関する問題が出題されることが多い。
- 一類〜三類は全て、四類および五類も有名な疾患は覚えさせられる。
- 特定病原体といって、テロに使われる危険性のある病原体についても言及されている。
- 最も危険な第一種病原体は出血熱のウイルス(エボラ、クリミアコンゴ、ラッサなど)や天然痘ウイルスが該当する。
- ペスト以外の一類感染症の病原体が該当する。ちなみにペスト菌が第一種ではなく第二種なのは抗生物質で治療できるから。
- 所持、輸入、譲渡は原則禁止。
- 第二種病原体はペスト菌、炭疽菌、ボツリヌス菌、野兎病菌などが該当する。
- これらは非常に危険な細菌ではあるが、(エボラなどと異なり)抗生物質による治療法が一応ある。
- 毒素であるボツリヌストキシンも第二種病原体に含まれる。これも血清で治療できる。
- 所持や輸入、譲渡の際には厚生労働大臣の許可が必要。
- 第三種病原体はコクシエラ菌(Q熱の病原体)、ブルセラ菌、コクシジオイデス(猛毒のカビ)、ハンタウイルス(腎症候性出血熱の病原体)、SFTSウイルス、狂犬病ウイルスなどが該当する。
- 結核菌のうち抗生物質に耐性を持ったもの(多剤耐性結核菌)も第三種病原体に含まれる。
- 狂犬病ウイルスは発症すると致死率100%だが、ワクチンで予防できることや感染経路が限定的であるなどの理由からこの評価になっている。
- 所持や輸入については厚生労働大臣の許可が必要になるが、譲渡に関する規定は無い。運搬する際は都道府県公安委員会への届出が必要。
- 第四種病原体は赤痢菌、コレラ菌、結核菌(多剤耐性のものを除く)、ポリオウイルス、デングウイルス、黄熱ウイルスなどが含まれる。
- 大腸菌はO157などベロ毒素を出すもののみ、サルモネラ菌は腸チフスまたはパラチフスを発症させる菌株のみが第四種病原体となっている。
- 最も危険な第一種病原体は出血熱のウイルス(エボラ、クリミアコンゴ、ラッサなど)や天然痘ウイルスが該当する。
- 一類はともかく、それ以外のグループは必ずしも危険度で決められているわけではなさそう。
- 実は二類と三類は危険度で言えば大差ない(実際、大腸菌以外の三類は元々は全て二類だった)のだが、三類は二類ほどの大流行は起こりにくいということで区別されていると思われる。
- 非常に危険な疾患でも感染経路が限定的であれば四類または五類になる。
- 例えば、動物からうつるが他の人には伝染しない疾患なら四類。医療事故(汚染された注射針を誤って刺してしまった)でうつるが、飛沫感染や接触感染はしないのであれば五類になる。
- 一類〜三類感染症は全てウイルスまたは細菌による病気だが、四類および五類にはカビや寄生虫による病気も含まれている。
- 特定の感染症に罹患した者を受け入れるための専門の病院についても規定されている。
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