馬事典/ファミリーライン
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- 近代競馬のファミリーラインの噂。
- ファミリーナンバー順→50音順です。
全般[編集 | ソースを編集]
- 父系(父~祖父~曽祖父~)と続くラインをサイアーラインと呼ぶのに対し、母系(母~祖母~曽祖母~)と続くラインをファミリーライン(メールラインとも)と呼ぶ。
- 母系・牝系ともいうけど、一応この名前で。
- 基本的に、サラブレッドは母が同じ馬を兄弟と扱う。
- 同父の馬は多い馬だと同年生まれだけでも何百頭、全体で何千頭もいるのに対し、同母の馬は1年1頭、全体で多くても20頭くらいが限度のため。
- インブリードの計算の場合はその限りでない。
- 1号族、2号族…というファミリーナンバーでも区別される。
- 元々はクラシックの勝ち数順に並べられたが、現在では1号族のラインが圧倒的。
- 最初は43号まで設定され、後に74号(公式には51号)まで拡大した。
- 元々はクラシックの勝ち数順に並べられたが、現在では1号族のラインが圧倒的。
- 区切り方が割と難しい(特に決められているわけではない)。
- 基本的には著名なG1牝馬から計算するのが主流と思われる。
- もっとも、その叔父や大叔母などにも活躍馬がいたりすると厄介である。
- 正直人間でも再従兄弟以上の関係は親族扱いされないし、10世代以上前に共通祖先がいるって言われても今一つピンとこないのが実情。
- 基本的には著名なG1牝馬から計算するのが主流と思われる。
- 生産牧場は父系より母系の方に思入れが強くなりがちな気がする。
- たいてい繁殖牝馬は「うちの子」、種牡馬は「よその奴」ってなるし。
1号族[編集 | ソースを編集]
- 現在最大勢力を誇るファミリーライン。
- サラブレッドに占める割合は16%ほど。
ソシアルバターフライ系[編集 | ソースを編集]
- トウショウ牧場の基礎牝系。
- 直仔にトウショウボーイ。孫にトウショウレオ・トウショウペガサスなど重賞馬がかなりいる。
- だが頼りすぎて結果トウショウ牧場衰退の主因になったとされる。
- G1馬(八大競走馬)もトウショウボーイ以外に出せなかった。まあ凄いんだがな。
- ソシアルバターフライは英語だと「Social Butterfly」、ようはソーシャルバタフライ。
- 「社会性の蝶」、つまり活発的な人を指す言葉なんだとか。
- 別にバターの揚げ物ってわけではない。めっちゃ脂っこそうだが。
2号族[編集 | ソースを編集]
- 最近は3号族に押され気味。
アルマームード系[編集 | ソースを編集]
- アルマームードの直仔コスマー・ナタルマが後世に影響を残した。
- コスマーはトスマー・ヘイローを産む。
- トスマーは競走成績で力を発揮、ヘイローはサンデーサイレンスを筆頭に父系を繁栄させている。
- ナタルマはノーザンダンサーの母として有名。
- ほか、デインヒル・マキャヴェリアン・バゴなどもこのラインに属する。
- コスマーはトスマー・ヘイローを産む。
ハイクレア系[編集 | ソースを編集]
- エリザベス2世の所有馬ハイクレアを牝祖とする。
- 大きく分けるとバークレアとハイトオブファッションの2頭が繁殖牝馬として繁栄。
- バークレアの子ウインドインハーヘアは三冠馬ディープインパクトを輩出。
- その兄のキタサンブラックは競走馬として大成できなかったものの、種牡馬としてキタサンブラックらを輩出。
- 姉のレディブロントはデビューが大きく出遅れたが、いきなり条件戦を5連勝、スプリンターズステークスで4着と敗れ、怪我で底を見せぬまま引退することにはなった。
- そこから地方G1馬ゴルトブリッツ、孫にダービー馬レイデオロを出した。
- ハイトオブファッションは直仔にナシュワン・ネイエフ、牝系としてはバーイードなどを出している。
- バークレアの子ウインドインハーヘアは三冠馬ディープインパクトを輩出。
3号族[編集 | ソースを編集]
フロリースカップ系[編集 | ソースを編集]
- 小岩井農場の輸入牝馬フロリースカップを牝祖とする系統。
- 正確には(当時小文字が使えなかったため)フロリースカツプと表記する。
- 5代下ったシラオキが系統をさらに伸ばす。
- 競走馬としては牝馬ながらダービー2着に入る活躍を見せた。牝系子孫に牝馬ダービー制覇を達成した馬がいるが。
- ただ全般的にみると、特別競走の勝ちは函館記念のみ、他重賞では(今でいう)掲示板入りはできるものの勝ちきれない側面もあった。
- ウマ娘 プリティーダービーでもマチカネフクキタルの守り神(?)として登場したので、ここから知った人も多いだろう。
- ここの牝系子孫にマチカネフクキタル・スペシャルウィーク・ウオッカ・サンエイソロンなど。
- 競走馬としては牝馬ながらダービー2着に入る活躍を見せた。牝系子孫に牝馬ダービー制覇を達成した馬がいるが。
- 他にはフロリスト→ガーネット(表記はガーネツト)・トサモアーなどが牝系を広げた。
- シラオキ系以外の牝系子孫だと、ポレール、メイショウサムソン(ガーネット系)、ニホンピロウイナー、カツラノハイセイコなどがいる。
4号族[編集 | ソースを編集]
スカーレットインク系[編集 | ソースを編集]
- 別名「スカーレット一族」。
- 直仔のスカーレットリボン・スカーレットブーケが重賞を制覇。
- さらにその仔が一気に牝系を伸ばした。
- スカーレットブーケからはダイワメジャー・ダイワスカーレット兄妹がG1制覇。
- スカーレットローズの子スカーレットレディからはヴァーミリアンを筆頭にJRA重賞馬を計4頭出している。
- アナスミラビリスのラインからも重賞馬を出している。
5号族[編集 | ソースを編集]
ラフショッド系[編集 | ソースを編集]
- 特に直仔ソングからの牝系が有名。
- ソングは特にフォルリとの間に活躍馬を残した。
- スペシャルは競走馬成績こそ良くなかったが、ヌレイエフの母、サドラーズウェルズの祖母となった。
- サドラーズウェルズの全弟フェアリーキングも兄ほどではないが父系を繁栄させている。
- リサデルは姉とは違いG1を制し、エルコンドルパサーなどの母系祖先に当たる。
- 真ん中のサッチもサセックスステークスを勝利し、スピリットオブブームの父系祖先にあたるほか、タイキシャトルの母母父にあたる。
- これらの馬のクロスとしてはエルコンドルパサーが有名だが、ファザーランドというサドラーズウェルズ×リサデルの全姉妹3×1なんて馬もいる恐ろしい。
- リサデルはさらにその弟フェアリーキングとも産駒を残している。人間に例えてはいけない
- スペシャルは競走馬成績こそ良くなかったが、ヌレイエフの母、サドラーズウェルズの祖母となった。
- ソングは特にフォルリとの間に活躍馬を残した。
7号族[編集 | ソースを編集]
マイリー系[編集 | ソースを編集]
- 別名、「華麗なる一族」。
- 直仔のキユーピツトが阪神牝馬特別、その子のヤマピットがオークスなどを制覇。
- さらにヤマピットの姪のイットーから、ハギノトップレディ~ダイイチルビーと3代連続重賞馬を出している。
- ハギノトップレディの弟ハギノカムイオーは、高額セリ馬ながら活躍。
- イットーの傍流からはマイネルセレクト、他の傍流からはニッポーキングなどが出ている。
- 現在では廃れ気味。
8号族[編集 | ソースを編集]
- バウアーストックのラインもここであると推測されている。
シェリル系[編集 | ソースを編集]
- メジロの執念を叶えた馬、シェリル。
- メジロアサマとの間に生まれたメジロティターンが父子天皇賞制覇を達成。
- またその前年に生まれたメジロチェイサーは後にメジロライアンを産んでいる。
- ウイニングポスト9の2022年版では、初期譲渡の繁殖牝馬に選ばれる(ことも)。
- もしかしたらこの馬が思い入れのある繁殖馬になる人も…難しいか。
パロクサイド系[編集 | ソースを編集]
- 社台の基礎種牡馬がガーサントなら、基礎牝系はパロクサイド。
- 孫のダイナカールからエアグルーヴ→アドマイヤグルーヴ→ドゥラメンテと4代連続G1馬(八大競走馬と言ってもいい)を出した。
- ダイナカールの傍流にはカーリーエンジェル→エガオヲミセテ・オレハマッテルゼなど。
9号族[編集 | ソースを編集]
アレグレッタ系[編集 | ソースを編集]
- アレグレッタの直仔にはキングズベストもいるが、なんといってもアーバンシーが勢力を伸ばした。
- ガリレオ・シーザスターズと21世紀初頭に繁栄した大種牡馬のほか、ブラックサムベラミー・マイタイフーンと合計で計4頭のG1馬の母となった。
- 他には凱旋門賞馬トルカータータッソなどが属する。
ムムタズマハル系[編集 | ソースを編集]
- ザテトラーク直仔のムムタズマハルを起点とする牝系。
- 種牡馬としての印象が強いライン。
- マーマハルの子マームードはアルマームードの父として後世に影響力を残す。
- タニノギムレットやスマートファルコンもこのライン。
- ムムタズビガムの子ナスルーラが20世紀後半に一大父系を残し、その甥のロイヤルチャージャーも繁栄した。
- メロディーレーン・タイトルホルダー姉弟もサンプリンセスのラインに属する。
- マーマハルの子マームードはアルマームードの父として後世に影響力を残す。
10号族[編集 | ソースを編集]
メジロボサツ系[編集 | ソースを編集]
- メジロの基礎牝系。
- 日本輸入馬の起点としてはデヴオーニア(1925年生)まで遡る。
- 輸入したのは社台の吉田善哉総帥の父、吉田善助。
- 日本輸入馬の起点としてはデヴオーニア(1925年生)まで遡る。
- 直仔にメジロゲッコウ、牝系子孫にメジロドーベルなど。
- モーリスもこの牝系。奇しくもメジロ牧場が解散した年に。
12号族[編集 | ソースを編集]
ビューチフルドリーマー系[編集 | ソースを編集]
13号族[編集 | ソースを編集]
パシフィックプリンセス系[編集 | ソースを編集]
- パシフィックプリンセスはパシフィカスとキャットクイルの母。
- パシフィカスはビワハヤヒデ・ナリタブライアン(・ビワタケヒデ)の母、キャットクイルはファレノプシス・キズナの母。
- 姉妹で兄弟(兄妹)G1馬を出すのだからすごい。
- いずれも兄弟G1馬の父が違う(ナリタブライアン・ビワタケヒデ・ファレノプシスは同じ)。
- 姉妹で兄弟(兄妹)G1馬を出すのだからすごい。
- 別ルートのトロピカルサウンドIIからもモンドインテロ・セダブリランテスと兄弟重賞馬を出している。
- 他、兄弟ではないがパシフィカス→スペリオルパールからラストインパクト、アサーティブプリンセスのラインからゼーヴィントなど。
- これほどの名牝であるが、パシフィックプリンセスのインブリードはあまり見かけない。
- この牝系で種牡馬として大成したのがキズナしかおらず、日本に輸入されたこの系統の馬の大半にサンデーサイレンス系が入っている以上サンデーサイレンスのクロスまでできてしまうのがなんとも。
15号族[編集 | ソースを編集]
レディチャッター系[編集 | ソースを編集]
- 当時の仮名表記としては「レデイチヤツター」。
- パロクサイド系と並んで、社台の基礎牝系にあたる。
- 孫のペルースポートから牝系を伸ばした。
- 主な競走馬にシャダイチャッター(子)など。
- 長らく重賞馬は出すもののG1馬が出て来なかったが、約半世紀の時を越えて2015年にラブリーデイ(シャダイチャッター系)がG1制覇。
- その後、2022年にジオグリフ(アンデスレディー系)が皐月賞を制覇しクラシックを初制覇した。
- 特にジオグリフは母までのラインがドゥラメンテとほぼ同じ(エアグルーヴに相当するトニービンのみ抜けている)であり、こちらもまさしく社台の結晶と言えよう。
- その後、2022年にジオグリフ(アンデスレディー系)が皐月賞を制覇しクラシックを初制覇した。
20号族[編集 | ソースを編集]
ミエスク系[編集 | ソースを編集]
- 競走馬としても活躍したミエスクを祖とする。
- 直仔のキングマンボ、孫(キングマンボの全妹Monevassiaの子)のラヴズオンリーミーが有名。
- ラヴズオンリーミーも繁殖牝馬としてリアルスティール・ラヴズオンリーユーを産んでいる。
- 同馬は過去にドゥラメンテと交配しており、全兄妹3x2のインブリードとなっている。
- 直仔のキングマンボ、孫(キングマンボの全妹Monevassiaの子)のラヴズオンリーミーが有名。
サラ系[編集 | ソースを編集]
- サラブレッドの血統なんだろうけど、血統書が紛失しているなど(馬だけに)どこの馬の骨かもわからない馬が先祖にいる馬のこと。
- 日本だと濠サラ、特にミラ系が有名。
- ≠アングロアラブ(の血統)。
- アラブ血量が25%未満の馬もサラ系扱いされるが、それだけではない。
- 現在の日本の競馬であれば特段出走制限はかからない、はず。
- 8代連続でサラブレッドと交配すれば晴れてサラブレッドに「昇格」できる。
バイカ系[編集 | ソースを編集]
- 濠サラのバイカを起点にする牝系。
- ミラ系のような華々しい戦績こそないが、細々と続いていた。
- 21世紀入ってからも続いていたみたいだが、どうやらもうサラ系競走馬としては滅亡したものだと思われる。
バウアーストック系[編集 | ソースを編集]
- こちらも濠サラのバウアーストックを起点にする牝系。
- どうも父Baverstock、母Frivolityの「Brown Meg」という牝馬と同じであるという説が有力。
- そうなれば8号族に属すると言われている。
- どうも父Baverstock、母Frivolityの「Brown Meg」という牝馬と同じであるという説が有力。
- 主な活躍馬にキタノオー(朝日杯・菊花賞)など。
- こちらも21世紀まで存続していたが、キョウエイカオリ(2012年生)を最後に断絶した(ものだと思われる)。
ミラ系[編集 | ソースを編集]
- 濠サラの競走馬、ミラを起点にする牝系。
- 第1回ダービー馬ワカタカを筆頭に、二冠馬ヒカルイマイ、皐月賞馬ランドプリンスなどを輩出した。
- いずれもサラ系の烙印を押された結果、種牡馬としては(同期の競走馬よりも)不遇な後世を送った。
- 一応今でも牝系が細々と残っている。
- 現在では8代連続交配要件を満たし、サラブレッド入りしている。